ぶんぶん
猛暑とや酷暑とや掃除機をぶんぶん
ポップコーンに爆ぜぬ一粒秋暑し
重ね目を正せば紙に秋の影
ゆきあひの空や詐欺師のこゑの良き
鰭強し銀河の淵に棲む魚の
・・・
フトモモを再び。
ただし、今回のフトモモは「捕手の太腿」ではなく植物のフトモモのことである。漢字で書けば蒲桃。英名はrose apple。
「フトモモ科よ」と説明すると、多くの人は「エーッ!」と言って笑い出す。これは「太腿」を連想してのことだと思う。私のアタマでも聞いた瞬間についこの漢字へ変換してしまうからとてもよく分かる。
フトモモと言われるとどんな物? となるが、蒲桃(ホトウ)とかローズアップルとか聞けば何となく食べられそう、美味しそう、と感じる。
植物図鑑を見ているとフトモモ科という説明によく出合うのだが、私は長くフトモモ自体を知らなかった。
図鑑やネットなどにその名が出てくる度に、どんな植物なのだろう? と思い、知りたいと思うようになった。
ユーカリ・ブラシノキ・グアバ(バンジロウ)・ティーツリー・フェイジョア・ギンバイカ等々、フトモモ科に分類されている物は多い。そのどれもが樹形や樹高はさておき、草本ではなく木本である。
更に共通するのは、その花である。ブラシノキ(牧野植物図鑑ではマキバブラシノキだったか)を思えば手っ取り早いが、とにかく、花の形を云々する前に長くて数の多い雄蕊が目立つのである。
あやふやな記憶だが、どこかの植物園の温室で出合えた。それは大きな不愛想な木だった。花の時期ではなかったから、暗緑色の細長い葉ばかりが茂っていたのだが、これが、その本家本元のフトモモなのか……と見上げたのだった。
後日落ち着いて調べてみたら、果樹の扱いになっていた。生食の他、ゼリーやジュース、ソースなどに加工されるのだという。そもそもは東南アジアやアメリカ、日本では沖縄などの熱帯地方で自生が見られ、栽培もされているとのことだ。加工品として出回っているのであれば、私も知らないままに口にしていたかも知れない。
写真で見ると、赤くて艶のある綺麗な果実である。
しかも芳香を放つという。そういうことならば、是非とも実のある時期に出合ってみたいものだ。
仲間であるフェイジョアはよく知っている。花の特徴、例えるならば紅と白の絹の摘み細工のような美しさもあり、庭木にされていることも多い。
実は熟れても灰緑色。楕円型で長径が4センチ程しかなく、目立つものでもないが、食べると何とも美味しい。とても爽やかな味である。
(2026・8)