ケサランパサラン
ケサランパサラン春の月より降り来しか
ケサランパサラン白鷺城に余寒あり
ケサランパサラン春の星まで飛ぶ夢を
ケサランパサラン動き出すまで待つ朧
ケサランパサラン朧夜を転がれる
※ケサランパサラン 姫路市立動物園に展示あり
・・・
「おばあちゃんと何かお料理したい」
孫娘が言う。末っ子。五歳。
「何作る?」
「えーとねえ、ギョウザ」
具の用意はまだ無理かな。そこは私が手を出すことにする。
「あのね、ハートの形のギョウザ作りたい」
「え?」
この子はハートの形が好きなのだ。以前白玉団子を作ったときもハートを作る…と頑張ったのだが、茹でると丸くなってしまうから、ちょっと歪なものができた。
クッキーならともかく、餃子とは……どうしようかな。ちょっと考えて、皮をハート形に切ることにした。具を平たく置いて2枚を貼り合わすという作戦。ところがこれがなかなか大変。皮は沢山いるし、フライパンに並べられるのもせいぜい3個。で、6個だけハート形にして、大人用には普通の餃子ということにさせて貰った。
さて、件のギョウザはどうなったか。具が入る分だけ膨らむから、何だかふっくらとしたハートになった。茹でても蒸してもこの形はかなり難しい。(と、納得させた)
何しろままごとの延長だから、楽しければそれでいいのだ。
彼女が今迄で一番喜んだのが豆腐を潰すことであった。適当な量を手に乗せて、グチャグチャと潰す。それが楽しいようで、キャッキャッと大はしゃぎだった。
料理ではないがこの子が最近覚えたのが、私の手の甲に浮いた血管を抓むこと。まあ迷惑なことではあるが、手を使うことをすると目立つから気になるのだろう。
わが手首のガングリオンにはまだ気づいていない。これが見つかったら、きっとグリグリってさせて~と言うだろうな。
(2025・2)