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(デザイン/レイアウト:小津夜景)
ハラペーニョで人類を 小津夜景
珈琲を漉そうわずかに陽を混ぜて
触診のラジオはいつも嗄れている
パティオふぬけて犬のこじんまり
親しみのある謎である郵便夫
静かだな服ぬいでもの食う部屋は
ありくいは白昼ゆめを吐くらしい
とびとびの音盤火星年代記
ハラペーニョ煮て人類を略奪す
おんぼろのロボットあわれ能面に
パロールが犬を愛して獰猛にクール
蛸足をふと奥の手と捉えたる
あしのうらぽかんと眠るとき他人
ぞわぞわと梢は揺れて ん 斬られた
すこやかな没我に火薬庫の匂い
風死にそうよカフェインが多すぎる
飲み干せば風もいまわをうごかない
陽を爆ぜてからっぽのカップだ
読むだろう まさかりで窓を開いて
どこまでも棒立ちの散歩者になる
絶海へつづくゼブラゾーンが眩しい
【作者略歴】
- 小津夜景(おづ・やけい)
1973生れ。無所属。
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