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十句 ふけとしこ
夏帽子これは中也に贈りたし
サングラス試着の鼻の疲れたる
針運ぶ雹降る音と思いつつ
初蝉や昨日仰ぎし山に立ち
天道虫放つ再び戻らぬを
シチリアの日を浴びに行け天道虫
玫瑰の落す花びら欲しくて待つ
玫瑰散る鳶が翼を拡げれば
竹の葉の散ること淡し昼月も
草笛の鳴つて三つほど若くなる
【作者略歴】
- ふけとしこ
本名福家登志子。岡山県生れ。「カリヨン」を経て現在「船団」「椋」所属。句集『鎌の刃』『真鍮』『伝言』『インコに肩を』他に『ふけとしこ句集』『草あそび』等。1995年俳壇賞。
2000年4月より3年間個人誌「ほたる通信」を発行。2012年8月より「ほたる通信」凝縮版として「ほたる通信Ⅱ」を開始。
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