2014年1月24日金曜日

【俳句作品】  平成二十六年 歳旦帖 第三

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     小野裕三(「海程」「豆の木」所属)
覗かれぬものとして穴ある師走
年守る湾ふかぶかと灯と人と
初富士へ寄りつ戻りつ吾子と吾子


     中村猛虎(1961年兵庫県生まれ。「姫路風羅堂第12世」現代俳句協会会員。)
レノンの忌最近空を見上げてますか
遊廓の投げやりな手の暖かし
冬の田の土塊ゴロン爺さんゴロン
不と思と議切れば海鼠の如くなる
緩慢に死にゆく寒夜の受精卵
独語辞書インクの匂いのして真冬
深夜バスナイフ片手に乗る聖夜

     竹岡一郎(「鷹」同人)
参賀了へ九段北へと急ぎけり
愛国者賀状に禁句光らしめ
木剣に凹みあまたや初稽古

     小鳥遊 栄樹 (「若太陽」「ふらここ」)
初夢の海面に星触れる音
初詣手を繋げば手の甲寒し
空澄むや賀状に馬のようなもの

     林雅樹(「澤」同人)
光漏れ雨戸の板や大晦日
ピアス連なる耳にイヤホン初詣
親真つ青女礼者に抱きつけば




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