2013年11月1日金曜日

第43 号 (2013.11.1 .) あとがき

北川美美

冬興帖がスタートしました。平成二十五年句帖シリーズ、最後の冬の巻をご堪能ください。

曾根毅さんよりあらたに新作10句が届きました。曾根さんの創作魂には頭が下がります。御寄稿ありがとうございました。

大井恒行氏(a.k.a.大井顧問)の豈weeklyでの連載が再スタートしました。「続・1」として三橋敏雄句から始まっています。一句鑑賞者の各務麗至氏とは私が俳句をはじめて間もない頃に句会で数回ご一緒させていただきました。その頃は、三橋敏雄の話などできるすべもなく(現在も人に話すほどの理解はできていませんが。)三橋敏雄の強靭な信奉者でいらっしゃることは存じ上げませんでした。すでにあれから10年は経過していると思いますが、今こうして各務さんの文章に触れることができるのは大変新鮮であり、今、また「鑑賞する」ということについて考える一文かと思います。

豈55号が届きました。今回は200頁と大冊です。、「攝津幸彦特集」が多くの皆様の御寄稿により大大大特集号となっております。「攝津幸彦記念賞」各受賞者の作品がご覧いただけます。



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筑紫磐井

○10月27日(日)、新高輪プリンスホテルでホトトギスの1400号記念祝賀会が行われた。祝賀宴に先立つ祝賀会式典で新主宰に稲畑廣太郎氏が就任し、前主宰の稲畑汀子氏が名誉主宰に就任したことが報告された。ホトトギスの4代にわたる継承が行われたのである。予告もなしに行われたので、来賓の挨拶もちょっと予定外の雰囲気で進められた。そんなはずはないだろうと言われるかも知れないが、肝心の新主宰の稲畑廣太郎氏が1400号記念祝賀会の雑用役を買って出ていたので、どこにも新主宰がいない席で来賓が祝辞をつぎつぎ述べるという不思議な状況だったことは間違いない。

○さて、たかが1結社の式典と言うことなかれ、1400号という歴史の実感はなかなか難しいものだ。1000号と1400号がどう違うのかと言うことは余程考えないと納得出来ないことである。式典には夏目漱石の縁者が来られて挨拶をされていたが、確かに理由のあることであった。夏目漱石の「吾輩へ猫である」「坊ちゃん」は明治38年、39年にホトトギスに掲載されていたからだ。私の個人的な感想としても、夏目漱石こそ日本近代文学の開始を告げる人物であったと思うのだが、その漱石のデビュー作「吾輩は猫である」「坊ちゃん」はホトトギス創刊から100号(8年)経った時期に掲載されている。ということは、ほととぎす1400号(つまり116年)の中に日本の近代文学、さらには現代文学がすっぽりはまってしまうことになるということだ。我々は、俳句は文学か、などとこざかしくも論じるが、実は、近代・現代文学を包含するホトトギスは「文学」などを超越していると言うことも出来るのだ。

○稲畑廣太郎のホトトギスに将来があるとすれば、近代・現代文学を超えて、「未来文学」を包含出来るかどうかと言うことにかかわってくる。廣太郎のいない席でこんなことを述べさせて貰ってきた。


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