がちゃ
がちゃ
がちゃ 軍靴の雨音
がちゃ
がちゃ
(赤ん坊オーケストラ 73ページ)
軍靴の足音が聴こえる
私が知る中で一番陳腐な慣用句だ
新聞でテレビでこの言葉を目にする度に 本当に警鐘を鳴らす気があるなら もっと言葉に気をつかえと思う
これを出せば視聴者は怖気るとか 番組が或いは紙面が締まると思って そうしているなら その人は 今でも、ガチョーンといえば リビング大爆笑と思うのだろう
言葉がキツイかな? わりーね、わりーね マレーネ・ディートリッヒ さて、 がちゃ がちゃ がちゃ 軍靴の雨音 がちゃ がちゃ だが、軍靴にも雨音はあるんだと 真新しい衝撃に打たれた。
乾いた、ザッ!ザッ!という音だけが軍靴ではないのだ。 軍靴もガチャ、ガチャ、いうのである
雨の中の軍靴と言えば 私は学徒出陣を思い出す。
白黒フィルムの中の荘重なBGM しかしその中の学徒達は 悲愴な一言だ。
そこで思う… あの雨の神宮球場の泥まみれの学徒の靴も、また軍靴なのだと
威圧を与える軍靴もあれば 悲愴な運命と共に地面を蹴る軍靴もある。
軍靴という反戦プロパガンダに塗れた言葉が軍靴の雨音でしんとして しみじみ考える言葉になった。
俳人、豊里友行の誠に面目躍如たるものではないか
言葉は無力ではない
使うものの創造性の欠如が言葉を陳腐にするのだ。
これは私も含め、 全ての言葉を操る人々が肝に銘ずるべきだろう
がちゃ がちゃ がちゃ 軍靴の雨音 がちゃ がちゃ