2014年1月31日金曜日

  【小津夜景作品 No.10 】 南仏離騒   小津夜景(詩 李賀)

※画像をクリックすると大きくなります。




    南仏離騒   小津夜景(詩 李賀)


        序句  むばたまの巨大かつらや初オペラ

上楼迎春新春帰  あらたまのやぐらみあぐるミモザかな

暗黄著柳宮漏遅  初葡萄酒いま俗物という渋さ

薄薄淡靄弄野姿  ギャルソンが責め具に見立て茶筅松

寒緑幽風生短絲  初萌えのジャン・ルノワールうたたねす

錦牀暁臥玉肌冷  まじないのごとし寝姿馴れ初めて

露瞼未開対朝瞑  わが春や別離にまぶたあかずとも

官街柳帯不堪折  初枝を手折りし僧のけろりかな

早晩菖蒲勝綰結  初ミサに座し野ざらしを疑わず

       挙句  いつになく蓬莱嫌いの句とならん





【略歴】
  • 小津夜景(おづ・やけい)

     1973生れ。無所属。

0 件のコメント:

コメントを投稿