2013年11月22日金曜日

【俳句作品】  サウンド・オブ・サーフ  山田露結




            サウンド・オブ・サーフ  山田露結

歩行者ケムー催涙天国のラッシュアワーにひとり

退化した目にうつる梵天マジキの終焉

分厚い扉のむこう「密都311」

冬のストロベリーペースト自家受精の猫と

暗い日の子供のために焼かれる都市の亜鉛メッキ

要塞化された区域、ビーチ21の冬波

兵役を逃れサウンド・オブ・サーフ

石と都市熱、廃棄された工場の人々

怒り穏やかに典型的な無実の神シムル

蛇行のボートピープル廊下の奥へ


【作者略歴】

  • 山田露結(やまだ・ろけつ)

昭和四十二年生まれ。愛知県在住。「銀化」同人。句集『ホームスウィートホーム』。共著『俳コレ』、『再読 波多野爽波』


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