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無期の虹・月の特区 竹岡一郎
虹の根を食べれば人でなくなるよ
墓原や虹刈るやうに首狩られ
落人の朝な朝なに虹が立つ
国葬や虹まとへるは咎送(とがおくり)
虹吐いて白骨となる幼な君
議事堂へなだるる虹を舐め取らむ
虹の根に孕まれて待つ怒りの日(ディエス・イレ)
海溝に虹の根張れば直ぐ開戦
この稼業虹舐め殺す口伝あり
虹純白にして私の手が漆黒
月輪(ぐわちりん)や獄卒われへ虹微塵
牛頭(ごづ)なれば月球の獄韻かせむ
月光捌く店舗いづれも地下二階
渇くらし月蝕祭の恋人ら
満月の化身のけもの毛づくろひ
【作者紹介】
- 竹岡一郎(たけおか・いちろう)
昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。
現代俳句協会第34回評論賞おめでとうございます!!
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