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狐わらし 3 竹岡一郎
美(うま)し野へ我を置き去る狐の母
人に還り狐の言葉もうわからぬ
廃校に狐を抱いて眠りたい
狐火が瞠る眼を磨きけり
狐呼ぶには徒(あだ)しの館堅過ぎる
狐とほく知命如何と問ふらしき
可惜(あたら)夜(よ)を狐に焦がれ明かしけり
狐火にこの人身を焼かんかな
狐見て影の煩ひ発しけり
わが心狐に逢ひに跳んだきり
【作者紹介】
- 竹岡一郎(たけおか・いちろう)
昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。
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