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春疲れた 竹岡一郎
山火の香十字架(クルス)の墓に十(クル)字(ス)切る
煉獄の門が卒業子へ開く
脆弱な巨塔見下ろし雁帰る
誉れある骨と褪せけむ春の軍
駄馬の蹴破るわが胸板も万愚節
鉄と人へだつため降る桜かな
さくら狩優しき罠へ偶に落つ
女子高生花まみれなる鋸洗ふ
春疲れた看取り疲れた憑かれたか
囀りにおろおろと死の輪郭が
【作者紹介】
- 竹岡一郎(たけおか・いちろう)
昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。
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