2013年7月12日金曜日

【俳句作品】 黒き家 / 曾根 毅

※画像をクリックすると大きくなります。
    

   黒き家   曾根 毅

焼けて猶暗がり残る日曜日

別れ霜水の触れ合う音の中

松の芯白し無縁の墓並び

呆として口開けており春の虹

木の靴の並べられたる黒き家

蠛蠓の向こうに漁船横たわり

狐火や十年残る瓦礫にも

布団より放射性物質眺めおり

身の内に迫って来たる枯野かな

海鳴りは死後も続きぬ寒茜

【略歴】


  • 曾根 毅(そね・つよし)

1974年香川県生まれ。「LOTUS」同人。現代俳句協会会員。

0 件のコメント:

コメントを投稿