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桜鯛 後藤貴子
大震災より二年
桜鯛海の憤怒を吸ってゐる
鞭のごと布団は干され嘶けり
ガンガーに泛くパンプスの黒と白
沙羅双樹燃やせば恥骨残りたり
首折れしかたちきりんのすべり台
ペプシ缶に渤海5ml溜めており
毛がわっと抜け炎天のくらまみち
マンモスは脚上げたまま銀河かな
庭石に着せたる振袖は白夜
甘藍ののみどに刃すべらせる
【作者略歴】
- 後藤貴子(ごとう・たかこ)
1965年生。新潟市在住。「鬣TATEGAMI」同人。句集に『Frau』『飯蛸の眼球』。現代俳句協会会員。
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