2013年12月20日金曜日

第50 号 (2013.12.20 .) あとがき

北川美美

年明け前に見やすさを考慮し色替えをしてみました。(地味な配色ですが。)

大井恒行氏のブログ(「大井恒行の日日彼是」)が予想外に早くスタート致しました。当ブログは金曜更新(金曜日中)ですが、大井さんのブログは随時更新しています、順調に投稿されています。どうぞ、お気に入りに入れていただければと思います。俳句を中心に詩歌全般の情報、時評的内容となると思います。写真も満載され実際に足で確かめた生レポートが魅力です。


年内あと一回更新を残すのみとなりました。現在アクセス70285.


現在も読み物として閲覧価値ある「豈Weekly」は現在164058.(2010年終刊後もアクセス更新中)。1年で豈Weeklyの半数には及びませんが、そこそこの閲覧数となっています。


以下記事のアクセスランキング(2013.12.19.現在)

1位:平成二十五年歳旦帖 第一  466

2位:募集!! 第2回 攝津幸彦記念賞 463

3位:平成二十五年 春興帖 第三 389

4位:【俳句作品】 ジャポニカ学習帳 / 中山奈々 322

5位:平成二十五年 花鳥篇 第二 309

意外や作品アクセスが多いのですが、寄稿者のネットコミュニケーション力が数字に表れているように思えます。「俳句など誰も読まない」と私自身思っていましたし、1位2位を除いて寄稿者の縁故者ばかりが閲覧している可能性は大ですが、「歳旦帖」をはじめとする多数参加の集団俳句作品群のページアクセスがあったことは発見でした。

時評に絞ると以下のアクセスランキングです。

1位:【俳句時評】 紙の時代 / 筑紫磐井  498

2位:【俳句時評】僕たちの断罪-大沼正明句集『異執』 /外山一機 384

3位:俳句時評 第87回 ~テーマパークで夢を見る~ / 外山一機 392

4位:俳句時評 第88回 ~酸素の薄さ―現代川柳の言葉~ / 湊圭史 331


(1位の「紙の時代 / 筑紫磐井」が498アクセスであれば、これが記事ランキング1位のはずですが、Bloggerの統計が変?)

上記の数字から年明けの「Ku+」刊行時には話題集中というところでしょう。湊圭史さんが多忙につき執筆が中断状態となっていますが、また再開して頂けることを切望しています。

時評という緊張を強いられる場で書き続けることは、体力消耗することと思いますが継続いただいている外山一機さんに感謝いたします。年明けから時評欄にまた新たな書き手が登場するかもしれません。乞うご期待。

戦後俳句では、下記。

1位:文体の変化【テーマ:リアリズムの発祥②】/筑紫磐井 234

2位:戦後俳句とは いかなる時空だったのか?/堀本 吟 209

3位:中村苑子の句【テーマ:紹介など】/吉村毬子 205

4位:細見綾子の句【テーマ:細見綾子 武蔵野歳時記の世界】/栗山 心 183

5位:稲垣きくの【テーマ:流転】渋谷区千駄ヶ谷・宮廷マンション時代(2)/土肥あき子 157


詩客からの継続で、土肥あき子さんが「稲垣きくの論」を完結(多分、完結)させたことはひとつの成果が生まれたと思います。また別の媒体で土肥さんの論考が一挙公開されることもあるかと思いますので今から楽しみにしております。

詩客の執筆開始から3年が経過することになります。私自身、「書く」という行為に場を踏ませて頂きました。アクセスの低い「戦後作家論・戦後俳句鑑賞」ではありますが、これは自己との戦いの場でもある気がしています。書き続ける執筆者を見守っていただければと思います。

詩客がスタートする前、2011年の統一地方選挙のサポートを行いました。広報演説カーでマイクを握り締めたことがあります(即席選挙カーだったので同時にスピーカーも握りしめた。)。人の全く歩いていない村落で立候補者の名前などを連呼しましたが、きっと誰かが聞いていると思い、誰がいるかもわからない、鶯の声が木霊する村落地区ほど力が入った記憶があります。戦後俳句の執筆もなんとなくそれに似たような気分となってきました。(立候補者は当選しました。)

私自身、三橋敏雄句を鑑賞執筆するにあたって、相当の緊張をしていたのですが、池田澄子さんより「私の文章など誰も見ていない、と思って書いたらいいわよ。」とアドバイスを頂きました。確かに、現在、読者を意識して書いてはいないような気がします。いかに読んでいただくかよりも三橋敏雄句の理解を深める、俳句の理解を深めるという気持ちの方が強いのは確かな気がします。自己満足といえばそれまでですが、作句とはちょっと違う行為なのかというのが、現在の感想です。


***

さて、個人的には、毎週ひとりでの更新も慣れたような、まだ慣れないような。パソコンの不具合があり、代用パソコンにてGW頃の作業が長時間となり途方に暮れる状態でしたが。詩客時よりも作業量は増えましたが、どうにか1年クリアしました。

またこの編集後記の位置(北川が上で筑紫相談役がつづくというレイアウト)が気になっていますが、あと1回の更新で考えて、来年はどうするのか検討中です。筑紫氏の気遣いで北川が上になっていますが、どうもすわり心地が悪く・・・。ともあれ年内あと1回更新です。

2014年1月3日(金)は休刊といたします。


筑紫磐井

○今年は、認識論にかかわる不思議な事件が多くあった年であった。
まず山口県周南市で7月に連続殺人・放火事件が起こり、容疑者保見光成が自宅の窓に貼りつけていたとされる「つけびして/煙り喜ぶ/田舎者」という書きつけが、575の形式を保っているため俳句に見えるが俳句であるのかどうかという議論が起こった。本ブログでは、外山一機が「俳句時評」で「保見光成の「俳句」を信用する」という文章をいち早く掲載している。筑紫・北川は批判的だ。 (現代詩?時評 最近のある事件について/筑紫磐井・北川美美

次は8月ごろの報道。スペインアラゴン州のミセリコルディア教会にある、100年以上前にエリアス・ガルシア・マルティネスという画家が描いた壁画(キリストの肖像画)、「Ecce Homo」(この人物を見よ)が最近老朽化していたため、絵画修復の素人である80歳の女性、セシリア・ヒメネスによって修復が試みられ、全く違ったと思われる壁画に書き換えられた事件である。一斉に、「世界最悪の修復」と報道されたのだが、意に反して、この絵を見るため多くの観光客が訪れ、絵画を修復しようとした市にたいして修復しないようにせよという要望が集まり、いまやその観光収入をめぐって紛争が起こっていると言う。

最後は12月10日にヨハネスブルクで行われたマンデラ大統領の葬儀で、オバマ大統領はじめ要人の手話通訳を勤めたタマサンカ・ジャンティがでたらめな通訳であったと報じられた事件で、彼が通訳した内容はロバ、エビ、稲妻・・・等であったが当人は、「私は手話のチャンピオンだ。大きなイベントで何度も通訳をしてきた。」と開き直っているという。と思うと、追悼式典会場で首脳のそばに立つと、「スタジアムに天使がやって来るのが見えた」という。おまけにこの通訳は過去に殺人、殺人未遂、誘拐などの罪で起訴されたことまでが明かされている。

書付は俳句であったのか、修復は傑作であったのか、通訳は手話の名手であったのか、あったと言えば言えるしなかったと言えばなかったと言える。世の中には、私とあなたがいる限りこうした認識の違いは不可避だ。


さてここで俳句への教訓を引きずりだそう。世の中には「俳句」と「俳句のようなもの」があるそうだが、どのように見分ければよいのだろう。



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