2013年12月27日金曜日

【俳句作品】 平成二十五年 冬興帖 第八

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     夏木 久(「豈」「連衆」)
またけふも寒月磨く砂漠かな
出汁香るまでの万葉集に雪
試着室より軍隊の出づ聖夜

     山本敏倖(「豈」「山河」)
記紀の色ついに冬至の水はあらすか
あんもないとのきしせいしんはかんほくと
寒夜明け分水嶺のあくびかな
みちのくの鬼火の見える一里塚

     山田耕司
寒月の釘抜きであり釘であり
梟に人語を教へに行つたきり
松だよとだまされてをる小春かな

     北川美美
青空やクリスマスにも午の刻
冬の空顔の真ん中鼻がある
冬枯をゆく傷だらけの天使かな

     高山れおな
美しき惑ひの年が暮れるなり



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