2013年6月7日金曜日

【俳句作品】 森閑 / 神山朝衣




   森閑   神山朝衣

初夏のコインランドリーにある暗さ

昼顔や怒りつつ手を引いてゐる

向日葵のやうに悲しく笑ひたる

行列の一時途切れ夜の新樹

生白き配膳の指夏料理

黒南風が腕を連ねてやつてくる

揺れてゐる揺らされてゐる夏めく中

風鈴や返事なければひとりなる

水が水たたいてをりぬなめくじり

がらがらの病室に寝て明易し


【略歴】

  • 神山朝衣 (かみやま・ともえ)


昭和42年生まれ。平成12年クンツァイト入会。依光正樹に師事。

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