2013年6月14日金曜日

【俳句作品】二十四節気題詠句 その一 (曾根 毅 二十四句)

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   曾根 毅「LOTUS」

(芒種6月6日)
碌々と唱え止まざる芒種かな

(夏至6月22日)
白皙や牟尼に遍く夏至の風

(小暑7月7日)
小暑なり四十九日を遣り過ごし

(大暑7月23日)
轟々と大暑に喰らう夏蜜柑

(立秋8月8日)
懐かしき母にはあらず今朝の秋

(処暑8月23日)
処暑にして蜂に刺されてしまいけり

(白露9月8日)
白露の消えたところに鍬と桑

(秋分9月23日)
秋分の片方に休す国御魂

(寒露10月9日)
寒露早や投句を忘れたるままに

(霜降10月24日)
霜降の十二使徒なる黙かな

(立冬11月8日)
什一の始めにありし今朝の冬

(小雪11月23日)
小雪や一一文を燃やしたる

(大雪12月7日)
大雪という一日を存える

(冬至12月22日)
冬至粥一日二人比丘尼なる

(小寒1月6日)
イチローのバントに終る小寒や

(大寒1月20日)
大寒の一隅匂墨として

(立春2月4日)
立春や西へ西へと開かれて

(雨水2月19日)
放下なる雨水に一句授かりし

(啓蟄3月6日)
三郎の鼻の孔より地虫出づ

(春分3月21日)
春分の散位一汁五菜かな

(清明4月5日)
清明というは死後なる水の中

(穀雨4月20日)
始発から穀雨となりし旅鞄

(立夏5月6日)
夏来る使い古せし護謨一つ

(小満5月21日)
小満の碁に憤り禿頭


【略歴】

  • 曾根 毅(そね・つよし)

1974年香川県生まれ。「LOTUS」同人。現代俳句協会会員。

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