◆はじめに
巷ではソーシャルネットワーキングサービス(SNS)が盛んである。SNSというジャンルにはいくつかのサービスが存在するが、その一つであるツイッターは二八〇文字(日本語は一四〇文字)の字数制限はあるもののその範囲内であれば自由に文章を投稿できる場を提供するサービスであり、俳句などの短詩を“発表する”場として最適だと私は感じている。ちなみにツイッターに投稿することを“呟く”と、投稿を“呟き”と言うらしい。
私がツイッターを利用して俳句を呟き始めたのは東日本大震災の起きた二〇一一年だからざっと九年ほども前のことで、当時、ツイッターの世界に投句を批評してくださる方をお見かけしたのがきっかけである。そもそもツイッターを始めた当初は巨人戦のことばかり呟いていたが、俳句に興味を持ち我流で詠んだ句を呟くことが増え、今では呟きのほとんどが俳句関連である。九年前には俳句にどっぷりつかっている自分など想像すらすることはなかった。人生はかくも面白い。
そんな私がツイッターやインターネットを使ってどのように俳句を楽しんでいるのか、こちらの貴重な紙面をお借りして紹介できることとなりましたので、そのご厚意に感謝しつつ気の向くままに述べさせていただきます。
◆ツイッターで句会を興行する
私はツイッターで”日曜句会”を興行しています。毎週日曜夜の開催を基本とし、すでに一四〇回を超え、三年目を終えようとしています。最初のころには思うように集まらなかった参加者、作品ですが、最近は二〇名前後の参加者から四〇数句の投句が寄せられています。直近(二月二日開催)では五二句を三十名の方々から頂き、驚くとともにたいへん嬉しく思いました。
句会の“おまけ”というわけではありませんが、作品を集めた句集を開催日のうちに作成し頒布しています。句会の参加者や読者の皆さんにこの句集を手に取り喜んでいただけることが最近の私の楽しみとなっています。
では、日曜句会を例にツイッターでの句会の興行と句集について紹介します。文章だけでの紹介となり、伝わりにくいかもしれませんが大目に見ていただきたくお願いします。
・興行の告知
まず句会の開催について告知します。開催時間や投句方法など、ツイッター利用者の興味を引き、参加を募ります。ちなみに日曜句会は毎週日曜(連休の場合には連休最終日)の夜、七時から十時まで開催しています。
・興行
告知をご覧いただいたツイッター利用者がそれぞれの作品を呟くことで投句完了です。
投句の際に、通常の呟きとは異なること、句会への【投句】であることを明示するためにツイッターの世界でタグと呼ばれるキーワードを作品の脇に書き添えてもらいます。ツイッターではタグを用いて呟きを検索出来ます。句会の参加者や読者はこの機能を利用して句会に投句された作品だけをスマホやパソコンの画面上に表示し、あたかも句集を読むように作品を鑑賞することができます。
◆句集を手に取っていただく
日曜句会では当初から寄せられた作品を集めて句集にし頒布しています。その方法、それにはコンビニエンスストア各社が提供している”コンビニの複合機で提供するサービス(サービス名称はコンビニ各社で異なる)”を利用して実現します。以下、このサービスを「ネットプリント」とします。
そもそもネットプリントとは「家のプリンタのようにコンビニのプリンタを使える」サービスです。ですが、インターネットで提供されるサービスならではの利用方法によりどこの誰にでも最寄りのコンビニのプリンタで日曜句会の句集を印刷し入手することが出来るのです。その流れを紹介します。
・句集の作成
句会に投句された作品をタグで検索し句集の原稿ネタとして使います。
ネットプリントに登録できる文書はPDF形式で保存された電子ファイルです(ワードファイルなどのPDF形式以外のファイルに対応しているコンビニもあります)。
・句集の構成
句集はA3またはA4サイズ一枚に印刷されますが、これにほんの少しの手間をかけて工作することで表紙・裏表紙各一頁、作品掲載六頁構成、一頁あたり七句から十句程度を掲載するミニミニ句集に仕立てあがります。
工作方法は一般的にも知られており、福音館書店の“工作図鑑(作って遊ぼう!伝承創作おもちゃ)”には“ミニミニ絵本(作り方のやさしさ:小学3年生を基準にしてやさしいⒶ)”として紹介されています。私のブログ(*1)でも写真入りで詳しく解説しています。
(*1) https://sportypoppa.at.webry.info/201804/article_1.html
・句集の登録
作成した句集(電子ファイル)をネットプリントへ登録すると、コンビニでプリントする際に必要な予約番号が発行されます(コンビニによってはユーザーIDを予約番号として使用するサービスもあります)。
・句集の頒布
ネットプリントに登録した際に発行された予約番号をツイッターで呟きます。句会の参加者・読者はそれぞれ最寄りのコンビニでネットプリントを利用し、プリンタを使って句集をプリントし手に取ることができます。自分の作品を掲載した句集を手に取って眺めることが現実のものとなります。ちなみにプリント料金は一枚(A3サイズ・モノクロ印刷)につき二〇円です。
これまで多くの方から句集に対する反響を受け取りました。皆さん、たいへん喜んでおられ、私もそれを嬉しく思っています。
◆おわりに
さて、私の「俳句の楽しみ方」として、ツイッターでの句会興行から句集の頒布、句集の工作方法について紹介しました。日曜句会の句集を工作してみよう、となれば最高です。
次回は「筆記しない句会《夏雲システムの破壊力》」を紹介する予定です。
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