※基本隔週更新です。毎日・毎週更新の記事は右の〔俳句新空間関連更新リスト〕をご参照ください。
庭を横切る影 小津夜景
けふ還り逢ふとも知らで黴の家
うつせみの手に阻まれた椅子がある
あぢさゐのない明るさをひきのばす
ただあるがままなる貌の日陰かな
夏はあるかつてあつたといふごとく
くらげらのこゑを光は書きしるす
風の死をゆだねられたる腕となる
消えさうな虹に指紋を凝らしけり
いつぽんの水母が白き帆を上ぐる
残虹をまたぐ或る記憶のなかで
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