2013年10月11日金曜日

平成二十五年 秋興帖 第六

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地色がグレーになる現象について引続き調査中





      中山奈々(「百鳥」「里」同人)
鬼灯の赤を呪ひの道具とす
心臓の色のチークや雁渡し
禰宜のあを巫女の赤銀杏踏みぬ

      北川美美
牛の顔それぞれ並び走る秋
まぼろしの船が出てゆく芒原
むかし犬びよと鳴きけり秋黴雨
夜露死苦と路上にありし夜の秋

      林雅樹
身じろげば椅子の革鳴る秋日かな
電話機を見れば鳴りさう秋の昼
アパートの花壇猫じやらし繁茂

      後藤貴子(「鬣」同人)
渡海船ついに沈まず鬼胡桃
コスモスの野にみっしりと俺の骨
人形に生命線や獺祭忌

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