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南紀 花尻万博
白藤に波放さざる古江かな
すぐに木を移る言霊ひこばゆる
「然り、ただ死し、行け」 バイロン「安らかな死」より
春愁ひ新ラの斧の柄漂へり
磯風に身を巻き直し母猫よ
大和国と紀伊国の国境
果無しの果てのまほらま母子草
葱の花頭大きは俳人なる
いつかは平等に海の底に
耕すは矢面に立つ思ひせり
黒潮の波曳きたがり鳥の恋
長男時季(とき)授かる、少し患ふ
吾子抱けば春の日傘を笑はれず
溺愛の続き巣燕やも知れず
【作者紹介】
- 花尻万博(はなじり・かずひろ)
1970年和歌山生まれ。和歌山県在住。
句集参加『現代俳句精鋭選集Ⅰ』(東京四季出版)、『現代俳句100人20句』(邑書林)。
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