7月7日に亡くなった澤好摩の偲ぶ会がアルカディア市ヶ谷(詩学会館)で11月4日14時から開かれた(円錐の会澤好摩を偲ぶ会実行委員主催)。
100人を超える参列者がそれぞれ澤氏を偲んだ。
司会は山田耕司氏。池田澄子氏、小林恭二氏、夏石番矢氏、恩田侑布子氏、仁平勝氏が偲ぶ言葉を述べたが、日頃交友のあった人達以外で意外な顔ぶれの人も参集したことが澤氏の人徳を偲ばせた。それぞれが語り合った後に、円錐同人の横山康夫氏が最後のお別れの言葉を述べた。
すでに「大井恒行の日日彼是・続」で速報されているので(11月5日号)写真はじめ詳しくはご覧いただきたい。
当日に間に合わせた「円錐」99号と、「翻車魚」7号も配布された。
●「円錐」第99号ー追悼 澤好摩―(編集部/発行所・山田耕司)、[2023年10月]
急逝した澤好摩の追悼号である。特別寄稿に、坪内稔典、池田澄子、仁平勝、小林恭二、川名大、伊丹啓子、樋口由紀子、恩田侑布子、高山れおな、大井恒行、高柳蕗子、神山刻、宮﨑莉々香、同人によるエッセイは、橋本七尾子、横山康夫、味元昭次、矢上新八、今泉康弘、山田耕司を載せている。特に圧巻は、澤好摩年譜で、澤氏がかわった雑誌特集の印影も載せ、時代の雰囲気をよく伝えている。詳細な記録を残した、澤氏らしい編集者ぶりに時代の雰囲気がよく伝わる。
なお「円錐」の今後については山田耕司氏の編集後記によれば103号まで発行を継続、同人の意向を踏まえて今後の展開を検討するという。また、全句集も準備されるらしい。
●「翻車魚(まんぼう)」7号(佐藤文香・関悦史・高山れおな)[2023年11月]
澤好摩氏を偲ぶ企画として、高山れおなの「澤好摩の百句」を掲載。第一句集『最後の走者』から最後の句集『返照』、そして直近の「円錐」掲載句までを丹念にひろい、長短の鑑賞を施している。「円錐」第99号の高山れおな「掃除日記別記ー澤好摩百句執筆の事」はこの百句鑑賞の舞台裏を語っていて面白い。「鬣」第87号[2023年5月]の「特集澤好摩の一〇〇句を読む」と併せて、澤氏の全作品を鳥瞰するために欠かすことのできない資料となるであろう。