2016年6月24日金曜日

【抜粋「WEP俳句通信」92号】「社会性諷詠――花鳥諷詠の深化として」(30句)より抜粋   筑紫磐井




私などマダムが殺す蚊の一匹 
自由から解き放たれた妻くつろぐ 
家族には愛情といふ平均値 
「ほんとう」は嘘の別称 妻の寝息 
夫婦とは善哉 愛は日々苦し 
2%の金利に灯す希望かな 
   虚子
頑なに俳句を思ふ それも愛 
辺境に誓子はをらず 虚子がをる 
日本語の「を」が好きな子は一年生 
料理下手な妻の毎日 カレー月 
毒殺のうはさもありし副主宰 
犯罪が匂ふ 薔薇咲く僕の部屋






※全作品は、WEP俳句通信92号をご覧ください。





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