2013年9月27日金曜日

平成二十五年 秋興帖 第四

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      高山れおな
 
   長夜筑紫磐井師に深謝して詠める
秋風や無学哲学みなあはれ

      筑紫磐井
   岡井隆が東京新聞にて「れおなは・・・ある意味でもっとも前衛的な俳人の一人」と評せしを祝して
秋風やいづこ前衛のひともしごろ

      内村恭子(「天為」同人)
望の月ギリシア悲劇の夜のやうに
月光を浴びて大人になつてゆく
十三夜別の神ゐる国照らし

      水岩瞳
話し方しぐさ変わらぬ友と桃
花野ゆく影は一つになりて月
そうでせう啼くのが命法師蝉

      池田瑠那
秋雲の蛋白石(オパール)びかり賢治の忌
秋蝉や給水塔のはなだいろ
場外ホームラン秋草に落ちにけり

      仲寒蝉
盆の家みんな眼鏡をかけてゐる
大なるを月小なるをたましひと言ふ
横飛びに鳥飛ばさるる野分かな

      小早川忠義(「童子」会員・「あすてりずむ」)
颱風や蝋燭に火のまつすぐに
十四夜の鳴らぬ電話にまどろめり
四Sをよんえすと読み素十の忌

      飯田冬眞(「豈」同人「未来図」所属)
八月の恥裏返る二重橋
捨てし名で呼ばるる町よ秋来たる
みんみんや東亜の歌手の薄き胸




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