2013年5月17日金曜日

第20号 (2013.05.17)あとがき

北川美美

2013518日更新が遅くなりました。ご心配をおかけいたしました。
『俳壇抄40号』が手元に届きました。当ブログで筑紫相談役が『豈』として掲載した記事12句選が掲載されました。

この『俳壇抄』については以前、豈Weeklyにて高山れおな氏の独白が掲載されていますが、今回もパラパラとめくっているとなかなか面白い発見があります。その中で今までと異なる俳誌団体の掲載があります。かいぶつ句集(東京)、俳句集団【itak(北海道)などに目がいきました。「週刊俳句」が掲載されていないのでアレ??と思いましたが、「週刊俳句」は書籍発行はありますが、定期的な紙媒体の句誌を発刊されていないので、ああそうかと思った次第です。俳誌の今後がどうなっていくのかなども『俳壇抄』からみえてるものもありそうです。

俳句「俳壇抄第39号を読む」は俳句集団【itak】の五十嵐秀彦氏が俳壇時評的な記事も書かれています。新選21に収録された方と記憶しております。『俳壇抄』は全国図書館に置いてある場合がありますのでご覧になってみてください。

俳句はそもそも師系というのが重要視されてきました。松山の子規博物館でみた俳諧系統図は面白いものでした。昭和60年ごろに発行された『アサヒグラフ』の俳句特集を持っていますが、その中に、松崎豊氏が作られた俳諧系統図と見比べました。俳諧系統図に入るためには「俳誌を発行しなければならない」ということを聞いたことがあります。(誰が決めるのか、わかりません。)師系を持たない人が増えるということは、現代版の俳諧系統図も作成できないことになります。松崎豊氏が作成された俳諧系統図が最期のものだったのかもしれないとふと思いました。それも時代の流れなのでしょう。




筑紫磐井
○前号の続きとなるが、「珊」という同人雑誌がある。平成元年に創刊され、季刊として休むこともなく刊行されている。この5月で98号を迎えた。今井千鶴子、深見けん二、藤松游子のホトトギスの三人による同人雑誌であり、途中藤松が亡くなったところから本井英が参加し、現在まで続けてきたという。ホトトギス系の同人雑誌というのは珍しいだろう。3人が対等に作品と文章を発表し、編集後記も3人が交代で執筆する。98号の編集後記は順番に従い、今井千鶴子が書いているが、こんなことを書いていた。
これが「珊」のあとがきを書く最後の号かも知れません。もし百号まで出せて尚後が続くような状態でしたら、その時はどうするのか、まだ何も考えていません。」
ちょっとぎくっとする話だ。前号で紹介した「雷魚」同様、100号で終刊する話も出ているのかも知れない。


○「未来図」は若い作家の多い有望な結社雑誌であるが、最近号を見ていたところ、こんな同人への告知が見つかった。ちなみに、多くの結社雑誌は、同人作品欄と会員作品欄を別に設けているが、同人・会員の切磋琢磨のため、会員投句欄に同人の投句を認めていることが多い。富安風生の「若葉」、飯田龍太の「雲母」などがそうだった。
年々投句数がふえてきたこともあり、体力的にもこれ以上の選を行うことが困難になってきました。つきましては「光陰集」と「日月集Ⅰ」(所謂同人作品欄。筑紫注)の方は今後「未来図集」への投句はご遠慮下さい。」
 
「未来図」は創刊30年だそうだが、そうした結社も時間により変質を強いられざるを得ないのであろう。

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