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怒張の国・春變 3 竹岡一郎
天回さむ 山火 はるかに討たるるも
のみど無き鬼身が山火呑みこぼす
泉下より種芋の箱引き出だす
火は宣れり諸手の作る磯竈
桜貝踏みしだきつつ届け遺書
兵たちに春の日溜黄泉溜
鶴引いてよりくれなゐの飛来音
父の骨立ち上がり囀り羽撃つ
いつの世の焦土へ桜吹き送らむ
磐座 大鉈 だが春邃(ふか)く遁げる人魚
【作者紹介】
- 竹岡一郎(たけおか・いちろう)
昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。
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