2013年4月5日金曜日

【俳句作品】 はるばろ / 音羽紅子


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          はるばろ          音羽紅子


男など大嫌ひなり野を焼きぬ

はるばろと空は広がり茎立ぬ

旅人木のまた葉の増えて春炬燵

切れ長のまなじりやさし磯菜摘む

また一人暮らしとなりて鳥帰る

涅槃西風どうかわたしをこのままに

春の宵ずいぶん時計ずれてをり
 
血縁のおどろおどろし祇王の忌

気狂ひと母に言はれて紅枝垂

お迎への車並びて春の雨



【略歴】
十九歳の時に早稻田大学俳句研究会に入会。二〇一〇年『童子』入会。二〇一一年わらべ賞受賞。二〇一二年新童賞受賞。

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