8月28日(土) (兼題「滝」・嘱目吟行句も可)
※句会縦画像 画像をクリックすると大きくなります。
A会場(24人)
泥濘に渡す丸太や時鳥 中田尚子
中田尚子選
滝の音だんだん遠くなる背中 常盤しがこ
山西雅子選
瀧風と別れ瀧音と別れけり 本井 英
筑紫磐井選
虚子庵の二股電球蚊遣香 松野秀雄
本井 英選
声かけて谷より貰ふ夏花かな 町田綾子
伊藤伊那男選
客の来て動き出したる作り滝 岩佐晴子
B会場(22人)
山田真砂年選
白糸の滝に一張一弛あり 小林貴子
小林貴子選
炎日のひとしく小石大き石 湯口昌彦
島田牙城選
拾ひたるところに戻し落し文 飯田美恵子
今井 聖選
足裏の方から吹けり青田風 星野直人
C会場(21人)
神野紗希選
わが影をあふれ晩夏の蝶とべり 藺草慶子
西山 睦選
白樺の梢に滝のひかりさす 神野紗希
井越芳子選
雨の中滝を見てゐる家族かな 上田信治
藺草慶子選
滝になるまへ水重く集ふなり 佐藤文香
土肥あき子選
蚊遣火の灰落ち馬のまばたけり 西山 睦
バス会場(26人)
片山由美子選
帰心とは薄雪草にかがむこと 櫂未知子
櫂未知子選
どの木からともなき風の涼しさよ 片山由美子
列車会場(38人)
岸本尚毅選
SLの長き余生や草茂る 高橋透水
小島 健選
踏む草の返す力や夏旺ん 黒沢孝子
平成24年こもろ日盛俳句祭縁由/筑紫磐井
明治39年、高浜虚子は松根東洋城らを交えて句会「俳諧散心」を開いた。「散心」とは仏教用語であるが、気を散らすという意味で、河東碧梧桐が一足先に立ちあげた「俳三昧」に対するアイロニーであった。当初は毎月曜日に集まって句会を開いたという。この会は、間をおいて明治41年8月、第二回目の俳諧散心がホトトギス発行所で開かれた。今回は8月1日から31日まで連日猛暑の中で開催され、このため「日盛会」と名づけられた、参加者は松根東洋城、岡村癖三酔、岡本松浜、飯田蛇笏らであった。
本井英の提唱で現代の「日盛会」を目指し、数年前から「日盛俳句祭」が開催されている。特に3年前からは、虚子が戦争中に疎開して縁の深い小諸市に場所を移し開催し、200人近い参加者を得ている。105年後にあたる平成24年は7月27日(金)から29日(日)までの3日間、小諸市民会館等で開催された。
開催日 平成24年7月
27日(金)28日(土)29日(日)の3日間
俳句会(5句出句・5句選)
(この他、28日高原列車吟行句会・28日29日高峰高原吟行会あり)
◇会 場
小諸市民会館及びコミュニティセンター
◇付帯事業
次の記念講演会、シンポジウム、懇親会とさよならパーティー
①記念講演 7月27日(金)星野 椿氏(「玉藻」主宰)
②シンポジウム 7月28日(土)
テーマ「私にとって季語とはパート2」
司会者:本井英
パネリスト:櫂未知子・片山由美子・筑紫磐井のほか気象協会から金丸課長
シンポジウムについては、既にいろいろと発表されているが、句会の結果についてはよく知られていない。全国から集まった、同じ釜の飯を食った老若男女の雰囲気を味わってもらおうと思い、紹介する。句数が多いので、今回は、スタッフ俳人(お世話役をする中堅俳人たち)特選の作品のみを紹介する。
(参考)
- 第5回「こもろ・日盛俳句祭」
平成25年8月2日(金)~4日(日)。
「俳句の林間学校」、「こもろ・日盛俳句祭」が今年も長野県小諸市で開催されます。
現俳壇を担う中堅・若手俳人と共に「俳句会」を楽しんでみませんか。
小海線貸し切り「高原列車句会」、高峰高原「バスツアー句会」ほか楽しい企画満載です。
お一人でも、グループでもお楽しみ頂けます。
「俳句会」のあとは講演会(今年は、「運河」主宰、茨木和生氏)、シンポジウム、懇親会などなど。
問い合わせ 小諸市立虚子記念館
電話 0267-26-3010
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