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怒張の国・春變 2 竹岡一郎
中原を黄砂紅塵黒雨征す
冴え返る後宮に火は滴れり
笑ひ止まらず遠(をち)の雪崩を聴く株屋
神様の嘆きがけもの交らしむ
彼岸には墓を拒める骨千躯
蓬餅梓巫女たち車座に
ふるさとの栄の種を浸す涙
紀の瀞や囀る人魚飼ひ殺し
幾生を軋みて征ける鬼朧
花と観るべく両瞼ちぎり捨つ
【作者紹介】
- 竹岡一郎(たけおか・いちろう)
昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。
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