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2014年3月21日金曜日

【竹岡一郎作品 No.9】 怒張の国・春變 2 / 竹岡一郎

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     怒張の国・春變 2  竹岡一郎


中原を黄砂紅塵黒雨征す

冴え返る後宮に火は滴れり

笑ひ止まらず遠(をち)の雪崩を聴く株屋

神様の嘆きがけもの交らしむ

彼岸には墓を拒める骨千躯

蓬餅梓巫女たち車座に

ふるさとの栄の種を浸す涙

紀の瀞や囀る人魚飼ひ殺し

幾生を軋みて征ける鬼朧

花と観るべく両瞼ちぎり捨つ




【作者紹介】

  • 竹岡一郎(たけおか・いちろう)

昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。

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