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仲寒蝉(「里」同人)
蝉さかんどの地下出口から出ても
蚊遣火の途中で消えてゐる景色
おしやべりをやめてひたすら立葵
大井恒行(「豈」編集人)
かもめ書店に絮飛んでくる未来かな
鶴折らばなお陽の影に白を恋う
手を挙げたさよならに蝉しぐれ
田代夏緒
地の文も軽薄サマードレスかな
振り向いておのれを探す時計草
欠点を許すほかなき大西日
北川美美(「豈」「面」同人)
空という箱あるように雷鳴す
東京の空は土砂降り水中花
太陽が同じところに紫黄の忌
*山本紫黄忌日(八月十六日)
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