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鬱金 花尻万博
初筆より左句
群情よ 暦の古び一途にて
素描は細く→素描の細く→素描緻密に
前衛の素描緻密に時雨けり
息継ぎの→息を継ぐに
異郷売られて息を継ぐ海豚売られて
長生きは→長生きの、懸大根→干大根→懸大根に
長生きの磯臭くあり懸大根
初筆より左句
み仏に潮満ちて来し焚火かな
吾子→子ら→吾子に
練炭の角の鋭さ吾子眠る
うみづらのルビを足す
磯焚火海面(うみづら)汚す 喪にあらず
初筆より左句
炭鳴りぬ乱山に木々流れなすや
来る→立つに
夜泣き子に立つ鬱金色の鹿売(ろくうり)よ
耳朶の一つ年取る寒さかな→左句に
餅配る聞き訳の良き子を連れて
【作者略歴】
- 花尻万博(はなじり・かずひろ)
1970年和歌山生まれ。和歌山県在住。
句集参加『現代俳句精鋭選集Ⅰ』(東京四季出版)、『現代俳句100人20句』(邑書林)。
第二回攝津幸彦記念賞正賞受賞。
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