【「BLOG俳句新空間」100号記念】特集『俳句帖5句選』その10
望月士郎
風船もってみんな並んで面影へ
花過のひと日卵を割る仕事
髪洗う闇に潜水艦浮上
はんざきの半分貰ってくれという
銀漢や少女回転体となる
山本敏倖
昼寝は甘酢甘酢らしくする
十一月の手品師はさばんな
一片の春の雪にもある重さ
水中花事実の本籍見ています
紙飛行機の年末はうしろからピカソ
林雅樹
憧れの俳人宅や輪飾盗る
雪解の原に童貞処女乱舞
夢遊病者新樹に呼ばれ木戸を出づ
柵はみ出て揺るゝ一葉や紅葉せる
枯園の見えて鉄扉の半開き
前北かおる(夏潮)
雲の影取り払はれて夏野かな
草の青俄かに濃ゆし犬ふぐり
一堂に再び会し卒業す
朝蟬やよろしくぬるき露天風呂
遠足や空を仰ぐに芝に寝て
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