2014年7月11日金曜日

平成二十六年 花鳥篇 第七




黒岩徳将(俳句集団「いつき組」所属、第五回石田波郷新人賞奨励賞受賞)
萵苣はがす紐解くやうに盗むやうに
鳥雲に入る風呂敷の波頭
すかんぽをあいつが噛んだから噛んだ
さかむけは生者にありて著莪の花
閉ざさるる視聴覚室青葉騒
手のひらに風の逃げ道聖五月
ハンモック口より英語飛び出して


沙汰柳蛮辞郎
鴨川や裸の天日干し二つ
初めてのスターバックス竹の秋
饅頭は割れば別物春愁い
蛞蝓の夜点滴はまだ半分
思うほど眼球軟らかく春雷


北川美美
難しきことをやさしく文字摺草
妹運ぶ姉いきいきとチューリップ
蝙蝠もコンクリートの家を継ぎ
太古より鳥になりたき人多し



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