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2014年4月11日金曜日

第65 号 (2014.04.11 .) あとがき

北川美美

桜が散っています。夏日気温を記録した本日ですが、季節の移り変わりは早いものです。

作品では春興帖第六、竹岡一郎さん、小津夜景さん。芝不器男俳句新人賞・城戸朱里奨励賞受賞受賞の表健太郎さんからコメントが届いております。麒麟「鶉」書評も近江文代さんの阪西敦子さん新着あり。

筑紫磐井句集収録の筑紫磐井氏著作の書籍が発刊されました。ようするに俳句作品のみならず著述が含まれた構成となっています。


  • 『我が時代-二〇〇四~二〇一三-<第一部・第二部>筑紫磐井句集』


帯文:2004-2013年、著者による思索と行動の結晶 
第一部 私は何を考えたか (俳句Ⅰ:約160句)/ 俳句Ⅱ:約80句 収録)
第二部 私は何をしたか   (ガニメデより 五十一句 収録)

個人的に思い出すことを少し・・・。

詩歌梁山泊サイト「詩客」の立ち上げ時に起きた東日本大震災。その時確かに筑紫氏の呼びかけで被災者応援サイトを立ち上げた。(詩客内でのURLが見つからず残念。)その記録が収録されている。 今、自分のメールボックスのメールを読み返すと、2011年3月16日(水)の筑紫氏からのメールで「戦後俳句を読む」の執筆予定メンバー宛に、「高野ムツオさんから応援メッセージを送ってほしいと言付かりました。」という内容にこんな自分でお役に立てるのであればと応援のメールを出したのだ。

多分それは避難所の方々を想像した内容と思うが、「寒くて眠れない日々は隣りの人と抱き合ったり、くだらない話に耳を傾けたりしてください。」という内容のメールを出していた。しょうもない内容だったにも関わらず高野ムツオさんから感謝のメールを頂いた。

確かにあの応援サイトに関わっていた。

『詩客』に掲載された筑紫氏の「やや長い前書きのついた俳句」「長い前書きを受けた再び長い前書きの俳句」の二作収録されている。




さらに『ガニメデ』での五十一句「shinobi-俳句を自由に」が収録。この収録は俳句史、詩歌史に大いに意味あることなのではないだろうかと。

・・・もっとも痛快なのは著者による「あとがき」。 

●販売は下記出版元となります。
サイト購入は出版元の準備が整い次第、追って情報をお伝えいたします。
取り急ぎ、購入ご希望の場合の問合せ先は下記となります。

『我が時代-二〇〇四~二〇一三-<第一部・第二部>筑紫磐井句集』
(実業広報社 \1000+税)
問合せ先:実業広報社
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-40
TEL:03-3265-0951 FAX:03-3265-0952
Email: j-k@jitsugyo-koho.co.jp


筑紫磐井

○父上の急逝にもかかわらず、作品をお送りいただいた竹岡氏に感謝申し上げる。父というものは、自分自身が父であることからもわかるように、実に不確かな存在だ。母と違って、いったい父は何を残したのか、実感としてもわからない。家制度が崩壊してから、父はとうとう居場所をなくしているのではないかという気もする。攝津の亡くなる前年に私も父が亡くなった。攝津の死の前後の風景は今でも鮮明にあるのだが、父は今ではすっかり淡い思い出しかない。特に晩年脳溢血で寝付いていたから寝ている姿しか目に残っておらず、どうしても存在は淡かった。しかし、寝付いていなくとも父の存在そのものは、やはり淡いものではなかろうか。遠くにいて、家族を見守るまなざしこそが現代の父の姿であろう。いずれ私も竹岡氏も、そうやって語られ、忘れ去られてゆく。その意味で、今この瞬間に詠まれ語られる姿が父のすべてなのかもしれない。

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