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カシュガルの草摘む話死の話
彼は誰の野や生ぬるき草を摘む
草摘めば毒草も摘む瑞々し
内田麻衣子(「野の会」同人)
雛あられ畏き人のおさげ髪
調理場の隅のお帳場春火鉢
ギター聴くマリア立て膝春浅し
小野裕三 (「海程」「豆の木」所属)
春遊へ金の足音銀の足音
恐竜の背を越すあたり春の町
積み台に地名いろいろ運ぶ春
吉村毬子
生れし日も白梅咲ひてゐたりしか
不二までのさねさす春の川いくつ
口あけてほろほろと来る春の宵
もてきまり(「らん」同人「らん」37号2007.4
~38号2007.7より)
オルガンに死者の指零れ春の雷
蹼で鬱出てみればなほ朧
ほらここのふらここに乗ろメランコリ
山田耕司(「円錐」同人)
妙な声だすまで春の泥うがつ
春それは麦わらを挿す穴ではない
梅咲けり人体に腹やはらかく
外山一機(「鬣TATEGAMI」同人)
コンビニのおでんが好きで星きれい
外山一機さんがリツイート
ヒヤシンスしあわせがどうしても要る
外山一機さんがリツイート
げんぱつ は おとな の あそび ぜんゑい も
外山一機さんがリツイート
堀本 吟
梅咲いた。人わらはせる芸つらし
鳥肢の人ごちゃごちゃと葦の角
風交といわねば春の友が去る
原雅子(「梟」同人)
庭石のまだ落ち着かず百千鳥
ひこばえのひとつ秀でて日当たれる
茶柱が立つて燕のまだ来ずよ
松尾清隆(「松の花」同人)
ハンバーグの店黄水仙飾らるる
吸ふために飛んでゐるのが蜂であり
飛ぶために吸つてゐるのが蝶である
小林千史(「翔臨」会員)
紅梅爪立ち白梅瞠目す
雛飾りニ段目あたり壊す子等
春潮の湿りは誰の息なのか
松本てふこ(「童子」同人)
新世界ゲート集合春寒く
桃の日や象の春子の足の裏
肉球を見せ春眠のメガネグマ
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