沖縄の若い俳人を取材に出かけて豊里さんにあったのは、もう20年も前だろうか。
求道の青年のように、沖縄を詠むことに懸けていた。その後の句集や写真集を見ても、それは変わっていない。
『地球のリレー』を戴いたとき、すぐに次の一句を選んでいた。
80 渋滞の中の快速かたつむり
だが、多忙にかまけて鑑賞記を書いていなかった。今回、読み直して、次の句を戴いた。
43 やわらかな折り鶴ですね京ことば
京都を旅したのでしょう。沖縄と違った京言葉を耳にし、沖縄との違いを認識したのでしょうか。口語調でもあり、普段の豊里調の句と違う。そこに興味を感じた。