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2013年7月5日金曜日

二十四節気題詠句 その四 (池田澄子 二十四句)


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池田澄子

(芒種)
浴室の曇る鏡にシャワーを芒種

(夏至)
今日は夏至でしたねフォーク箸ナイフ

(小暑)
目薬や小暑にしては涼しき午後

(大暑)
大暑あゝ何故にんげんに生まれしか

(立秋)
秋立ちぬ敗戦日また近付きて

(処暑)
よく晴れて処暑や血豆が薬指

(白露)
白露とや匙よりたれてヨーグルト

(秋分)
秋分の砂糖と味噌を量るかな

(寒露)
寒露の朝の真面目に淹れている玉露

(霜降)
霜降と暦にありて日がな雨

(立冬)
冬立ちぬ新PCに手こずり中

(小雪)
小雪という快晴の門扉かな

(大雪)
歳時記によれば大雪とや それで?

(冬至)
籠に在りて冬至南瓜と相成りし

(小寒)
一合弱の米研ぐ音も寒の入

(大寒)
瞳孔ひらく薬効きいて大寒晴

(立春)
糠床の天地返しも春立つ日

(雨水)
雨水五十年前のこの日に子を産んだ

(啓蟄)
啓蟄の丸の内線四ッ谷駅

(春分)
春分の花束振らぬよう注意

(清明)
膝に指で清明と崩して書きぬ

(穀雨)
論争の一人がハンサムにて穀雨

(立春)
春立ちぬ序でにビニール傘も捨て

(小満)
小満の本積みあげるこれが限度



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