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2022年9月23日金曜日

北川美美俳句全集23

連載を読み返してみると、バックナンバーの一つを書き漏らしていたことに気づいた。

少し間が抜けてしまったが、ここに追加しておくことにしたい。


面122号「遠音」(2017年12月)


バナナの木育ちはじめの葉の開く

いづれ海青田の中をゆく列車

草の葉が撫でゆく登山電車かな

夏の日を斜めに立ちてふくらはぎ

幽霊は網戸を抜けて来たりけり

かなかなや森近づいて遠ざかる

緑陰のベンチの端と端に人

夏館葉に落つ雨の音しづか

階下より桶の響きや返り梅雨

八月の雲の隙間を昇るかな

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