●面111号「ゲリとフレキ」2011年2月1日
元旦の東京タワー赤し赤し
太古より蝉は飴色琥珀色
グラシン紙覆ひて透ける太古かな
秋暑し引上げ船に船名なし
教会の枯葉を挿む書は天金
赤頭巾かの狼を連れまわす
極寒に少年運ぶ夜汽車かな
冬の日や畳の上で抱き合へり
十二月曇り硝子に迫る鱶
追悼 ハプニングス・フォー ぺぺ吉弘
淋しさの片方を提げ虹の中
●面112号(大高さん追悼句のみ) 2011年5月5日
鳥帰る神のひかりの輪の中へ
●面113号「冬来たる」2011年12月1日
色褪せぬ母の戀なり鶏頭花
指と指離れ落葉また落葉
淋しさに濡れる道あり秋の暮
大陸に昔つながり渡り鳥
七面坂どすんどすんと冬來たる
故郷とはいちばん寒き處かな
弥生一日墓の因果を考へる
七階より洗濯機でてゆく水無月盡
封筒を開けて香あり巴里祭
太陽が同じところに紫黄の忌
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