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2019年4月12日金曜日

【佐藤りえ句集『景色』を読みたい】7 佐藤りえ句集『景色』 西村麒麟

2018.11.27六花書林刊行
佐藤りえ句集『景色』より。


中華をむっしゃむっしゃ食べながら、鰻はあそこが美味い、いいやあそこだ、いや穴子のが良い、とか話をしていて、最終的に最後の晩餐は何が良いか、と言う話題になりました。米と味噌汁がやはり人気で、あとはシャンパンが良いわと言う人も。

僕はその場で答えが決まらなく、帰ってお風呂に入りながらうーん、うーん、と悩みましたが、まだ答えが出ない。食べたいもの、美味しいものは世の中にたくさんあります。

今日は、カツカレーが食べたいな。

佐藤りえさんの句集『景色』を読んでいきたいと思います。不思議な面白い句がたくさんあります。

『景色』

眠かつた世界史(ロマノフ朝の転機)

カタカナが多いのが世界史で、漢字が多いのが日本史。

佐渡島「飛沫がすこし気持ちいい」

佐渡島のお気持ち。

ゆんゆんとロケット進む100馬力

好きな句。ゆんゆん、そんな感じがする。

声あげて笑ふをんなの春炬燵

春には春炬燵。

宇宙では液体ごはん食べてゐる

宇宙って、すごい。

人工を恥ぢて人工知能泣く

これも好きな句。なんだか愛しくなる。

ひとりだけ餅食べてゐるクリスマス

そして正月も餅。

馬追がはづかしさうに逃げて行く

きゃ。

中空に浮いたままでも大丈夫

オッケーです、浮いてるけれど。

炎天の隣の駅が見える駅

ここも、向こうもかなり暑い。

黄落やひとでゐるのもむづかしい

誰も見てないところでは。

をぢさんが金魚を逃すその小波

鯉になって帰ってきたり。

見るからに重い土瓶をさげてゐる

そして満タン。

ロシア帽みたいな鬱をかむつてる

黒々とでかい、鬱。

口開けて凧を見てゐる男の子

わぁ。この男の子可愛い。

足首を摑んで投げる鳥雲に

何かをどこかへ。

今日はこの辺で。

じゃ

また

※「きりんの小屋」2018年12月16日より転載

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