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【「BLOG俳句新空間」100号記念】特集『俳句帖5句選』その8
青木百舌鳥
木の葉降る音や枝に打ち枝に打ち
川底を冬日の綾の遡りをり
釣堀の準備中なるもぢりかな
虻に生れ蠅に生れて並び居る
すくひたる手鉢の金魚かたよれり
花尻万博
蟻渡る光の川の小さい傷
繋がれて昼顔といふ確かさよ
仮の世の落とし処の雑煮餅
牛の声鬼の声草摘みにけり
美しき物の喩(たと)へを蛇苺
椿屋実梛
白秋の寝息しづかに愛のあと
秋暁のなかに横顔眠りをり
秋暁の街にその背を見送りぬ
淋しさが嵩増してゆく落葉期
思ひ出す職の遍歴十二月
真矢ひろみ
意味に飽く少年少女夏の果
聖夜かな球体関節軋みをり
ガン病棟へ寒一灯の力かな
県道にミミズのたうつ電波の日
逃げきって間のおきどころ夕端居
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