尺蠖立ちて蟒蛇と化すは、夏 竹岡一郎
尺蠖が地の潰までを測りけり
うるはしき山がほどけて蟒蛇に
蟒蛇の尾の削る崖化石だらけ
蟒蛇の舌に東京熔けても綺麗
蟒蛇が地平線より分かれ来し
蟒蛇が伸び切る河や波死につつ
少年少女蟒蛇出ても塾へ行け
少年少女みな呑まれたく蟒蛇待つ
をぢさんを呑んだ蟒蛇透きとほる
蟒蛇は鱗たぎらせ唄ふなり
蟒蛇の自ら裂けて祀らるる
血の海や巻き揚げらるる錨へ鳩
【作者紹介】
- 竹岡一郎(たけおか・いちろう)
昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。
パワーありますね!!
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