【俳句新空間参加の皆様への告知】

【ピックアップ】

2014年5月2日金曜日

【小津夜景作品 No.21】  俠客考   小津夜景


※画像をクリックすると大きくなります。
   (デザイン/レイアウト:小津夜景)



          俠客考      小津夜景

ともだちやもどらない日々おもふときなぜだらういつも李白をおもふ

人間の脂肪かぐはし春の暮

みみたぶのミイラにあらず日の永さ

春泥の手はヌンチャクを離れけり

折れど花盗人の手になにもなし

マンホールほどの血だまり花ぐもり

偽札を出しあひ花の主炙る

濡れてゐる槍かしこにや朧月

火だるまの朧のしどろもどろかな

菜の花に眠る廃刀オペラの夜

反句 ゆく春の夢にも肉の香を組む






【作者略歴】
  • 小津夜景(おづ・やけい)

     1973生れ。無所属。





0 件のコメント:

コメントを投稿