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2014年4月18日金曜日

【竹岡一郎作品 No.12】  春疲れた  /  竹岡一郎


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   春疲れた    竹岡一郎

山火の香十字架(クルス)の墓に十(クル)字(ス)切る

煉獄の門が卒業子へ開く

脆弱な巨塔見下ろし雁帰る

誉れある骨と褪せけむ春の軍

駄馬の蹴破るわが胸板も万愚節

鉄と人へだつため降る桜かな

さくら狩優しき罠へ偶に落つ

女子高生花まみれなる鋸洗ふ

春疲れた看取り疲れた憑かれたか

囀りにおろおろと死の輪郭が




【作者紹介】

  • 竹岡一郎(たけおか・いちろう)

昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。

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