【俳句新空間参加の皆様への告知】

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2014年4月4日金曜日

第64 号 (2014.04.04.) あとがき

北川美美

竹岡一郎さん御尊父様のご逝去に際し心よりお悔み申し上げます。

桜の開花とともに四月。
『鶉』書評続々と入稿しています。延々とつづく『鶉』を読む・・・。

今号より、いくつか入稿している<『俳句新空間No.1』を読む>を掲載してゆきます。少々時間が経過しましたが、『俳句新空間』とは、2月に発行となりました当ブログの初の紙媒体となる冊子のことです。すでに入稿された原稿は当ブログにて掲出した句帖についての鑑賞が寄せられています。第一回目は小鳥遊栄樹さんの中山奈々句についての鑑賞です。この二人、ぱっと見が似ていらっしゃいます。栄樹が奈々で奈々が栄樹という感じです。

当ブログ<戦後俳句を読む>で赤尾兜子句鑑賞を御執筆の仲寒蝉さん、第二句集『巨石文明』の出版記念会が3月29日、浅間総合病院講堂にて盛大に催されました。仲寒蝉さんは4月より朝日新聞長野県版の朝日俳壇の選者を務められます。【時壇】の網野月をさんの連載に長野県版の朝日俳壇も入れていただきましょう。

安井浩司さんの最新句集『宇宙開』を上梓されました。大井顧問の日日彼是にて句集についての記事をご覧ください。http://ooikomon.blogspot.jp/2014/04/blog-post.html


筑紫磐井

○4月1日(火)7時頃より、神田銀漢亭にて、西村麒麟の第1句集『鶉』の出版を祝う会に行く。人気者らしく、多くの、「古志」以外の俳人たちが集って、出版を祝った。併せて、芝不器男俳句新人賞大石悦子奨励賞の受賞祝いも兼ねており、春からめでたい麒麟であった。師匠に断りなく自家版で句集を出したときはどうなることかと思ったが、みなの温かい愛情に支えられてまずは成功といってよい成果をもたらした。当日は、西村夫妻に加えて、しなだしん、今井聖、土肥たか子、山崎祐子、内村恭子、佐藤文香、太田うさぎ、阪西敦子、松尾清隆、飯田冬眞、篠崎央子、松本てふこ、堀田季何、山田真砂年、亭主の伊藤伊那男氏などなど。アルコールが入ったので、記憶が定かでない。ビール箱をひっくり返した台の上で(まるで民主党と党首の時の小沢一郎のようだ)、メガホンで祝詞を叫びまくっている。誰も俳句のことを取り上げていなかったようだが、麒麟は幸せそうだった。

○少し前のことを思い出す。あまり深刻にならない麒麟が、ある時ぼそっと言った言葉がある。『新撰21』はまだ良かったが、『超新撰21』『俳コレ』と出て行くにつれ、これに入っていないと仲間はずれになってゆくような気がしたというのである。結局取り上げられるものと、取り上げられなかったもの、その中身の差がどれほどあったかは別として、差別が行われることは間違いあるまい。しかし、『新撰21』等という枠組みは無責任な外部の者がたまたま作ったものにすぎない。本来は、それに匹敵するエネルギーは自分で噴出口を開かねばならないだろう。

麒麟が今回結社にも断りなく、また出版社に依頼することもなく句集を出したことは、『新撰21』『超新撰21』『俳コレ』に匹敵する偉業であったと思っている。「BLOG俳句空間」が怪しげながらも支援をしているのは、こうした理由である。続々と続く・・・・かどうかは分からないが、自分で考えた道を開くことは、他から与えられた道に従うより間違いなく英雄的である。

俳句甲子園がいろいろと評判になっていることは悪いことではないが、これも、大人たちが自分たちに都合よい枠組みとして作ったものであることは忘れてはなるまい。高校生たちが本気で俳句というジャンルに立ち向かうつもりなら、戦前の「成層圏」(金子兜太、香西照雄、竹下龍骨ら)、戦後の「牧羊神」(寺山修司、京武久美、安井浩司ら)のように、高校生自らが主張を持って媒体を作ってゆくべきだろう。


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