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2014年3月21日金曜日

第62 号 (2014.03.21.) あとがき

北川美美

今号も「あとがき」更新が遅くなり失礼いたしました。

縁あって山口晃「さて、大山崎」のために描いた、「最後の晩餐」のレプリカを手に入れました。武将の背中に、「常盤居間」という文字があり、これが「愛宕百韻」の明智光秀の発句「時は今 雨が下しる 五月哉」がベースにあることがわかります。

「愛宕百韻」は謎が多いといわれていますが、光秀の句を見ていると「月は秋秋はもなかの夜はの月」が音韻的に好きです。さてさて、山口晃「最後の晩餐」を読むには長い長い時間がかかりそうです。絵画を見つつ読む行為、それもまた愉しみです。

来週で3月も終わってしまいます。なんたる早さ。年度末で立て込み中ですが、また来週。

筑紫磐井

○古賀まり子、村越化石など私が俳句を始めた頃しばしば名前を聞いた方々が最近次々なくなられている。著名な俳人以上にこうした作家たちの逝去の方が、時代の移ろいを感じさせてくれる。むかし、現代俳句協会の名幹事長であった津根元潮(つねもと・うしお氏。つね・げんちょうと呼ばれるといって怒っていたが。)と歳時記の編集スタッフをやっていたとき、歳時記の例句を入れるため、いろいろな現代俳句協会の会員の動静をメンバーが次々と聞いていた。「○○は?」「元気だよ。俳句は作らないけれど」「○○は?」「去年死んだ。」「○○は?」「この間作品を発表していた」「○○は?」「それも死んでいる。」「○○は?」「・・・・そろそろ死んでいるころだ。」「!?」。そんな津根元氏もなくなってしまった。津根元氏の「・・・・そろそろ死んでいるころだ。」はまことに含蓄のある言葉だ。
津根元氏に聞けば、「俳句も・・・・そろそろ死んでいるころだ」というかもしれない。

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