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2014年2月21日金曜日

【竹岡一郎作品 No.6】 狐わらし 3   竹岡一郎


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   狐わらし 3   竹岡一郎

美(うま)し野へ我を置き去る狐の母

人に還り狐の言葉もうわからぬ

廃校に狐を抱いて眠りたい

狐火が瞠る眼を磨きけり

狐呼ぶには徒(あだ)しの館堅過ぎる

狐とほく知命如何と問ふらしき

可惜(あたら)夜(よ)を狐に焦がれ明かしけり

狐火にこの人身を焼かんかな

狐見て影の煩ひ発しけり

わが心狐に逢ひに跳んだきり








【作者紹介】

  • 竹岡一郎(たけおか・いちろう)

昭和38年8月生れ。平成4年、俳句結社「鷹」入会。平成5年、鷹エッセイ賞。平成7年、鷹新人賞。同年、鷹同人。平成19年、鷹俳句賞。
平成21年、鷹月光集同人。著書 句集「蜂の巣マシンガン」(平成23年9月、ふらんす堂)。

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