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寄梅想流離(梅に寄せて流離を想ふ) 小津夜景(詩 斉己)
序句 漂白記あり正統の無季として
萬木凍欲折 望郷を秘すれば轟く万の枝
孤根暖獨回 デラシネだどんなたましひでも抱いた
前村深雪裏 朝戸出に光の虚室かがよふなり
昨夜一枝開 夜酔解く 披(ひら)かるる手の内のごと
風遞幽香出 幽香発つらむ幽人を此処に残し
禽窺素艷來 素足の巣より毀れ出づ(いづらへと?)
明年如應律 《もし》のない朝(あした)は在らず
先發望春台 落紅(おちばな)と香箔(わたばな)のみぞ果て無しに
結句 しづかなり
ホワイト・ノイズ
こぞりあひ
【略歴】
- 小津夜景(おづ・やけい)
1973生れ。無所属。
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